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エキサイティングアウトドア(野生動物保護管理捕獲奮闘記)

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過酷な単独忍猟 完結編(改訂版)

オス鹿の鳴きを聞いて500m以内と判断した私は細心の注意を払って足を進めました・・

200mほど進んだ時です、ピィイー また鳴きです・・思ったより近い・・

敵は異変に気づいたかもしれません。でも走り去ってはいないようです。

慎重に、慎重に気取られないように回り込みながら進みます・・・

もう間近のはずです気配を感じます・・20m位前に谷が見えました、あの辺りがクサイな・・

でも、経験不足で自分より上に居るのか下にいるのか解りません。
 
その時です、カサッと音が・・私はビクッとしました・・緊張でチビリそうです。

動きたいのに動けません。斜め上に居るようです、ここからでは笹が邪魔して見えません。

あと15m進めば正確な位置が解るのに・・・辺り一帯シーンとしてます・・鹿もジッと身を潜めています。

意を決して私は身を低くしたままゆっくり ゆっくり 進みました。 

静寂を破る時が来ました。「ドドドドッ・・」 ものすごい音でした、
「走られたっ!」私も走ります

10mほど走ると笹から飛び出した鹿が谷の上を切るのが見えました・・
距離30m

一頭、二頭、三頭・・・ 全部で四頭居たようです。三番目がデカイ!!

安全装置を外しながら銃を振り三頭目に狙いを付けます・・距離50m

杉の木の間が狭く撃ちにくい・・過去何度も逃がしてるパターンです。

私は勝負を賭けてチャンスが来るのを待ちました・・鹿が遠ざかりながら谷を横切り正面に来ます・・距離70~80m

私の作った鹿用の弾は軽量ですが高初速で、100mまではほぼフラットに飛びます。この距離ならそのまま撃てば当たるはず・・木と木の間が広いところに来ました!

今だ!「ド~ン!」
引き金を絞ると轟音と共に 大きなオス鹿がグシャッとその場で崩れました。

やった! その時です 「バサバサバサッ」 さらに別の三頭のオス鹿が音に驚いて飛び出ました・・

「デカイ!」 三頭とも自分が撃った鹿より大きくその内の一頭は牛の様に丸々としています、遠くからも良く分かる太い角・・すぐにボルトを操作して次弾を詰め狙います・・

仲間を囮に使うとはなんて奴・・しかも狙いにくい所を逃げます、でも狙い続けると一瞬チャンスが来ました。 「よしっ!」がっ・・・・・撃つのを止めました・・・

なぜなら 一頭撃った時点で奴に負けたのですから・・・まして 二頭も引きずって来ることは出来ませんし定数オーバーになります。

次回の楽しみに取っておきましょう。

でも冷静に考えると この群れは七頭もいたことになり、後に飛び出たのが頭だとすると・・
水戸黄門に例えると後の三頭は 御隠居さんと助さん、角さんと言ったところでしょうか・・

とするとオイラが撃ったのは うっかり八兵・・・・ 

過酷な単独忍猟 完結編(改訂版)_e0056797_20291113.jpg

苦労して撃った うっかり八兵です。

山の神に感謝して祈りを捧げマタギの儀式を行います。

それからこの巨大な鹿を一人で山から引きずり出します。
こいつの引き出しに約2時間・・終わったのは昼になる頃でした・・
次の日から筋肉痛で起き上がるのも大変だったのは言うまでもありませんが、強烈な痛みが三日も続いたのには参りました・・・めでたし めでたし
by hidehoken | 2005-10-08 20:44