エキサイティングアウトドア(野生動物保護管理捕獲奮闘記)

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危険な雪山 その2(改)

・・・つづき

吹雪く天城の雪山でのスタック

何時ものようには行きませんでした・・・
スコップで雪掻きするもアッと言う間に埋まってしまいます。

疲れ果てて車に戻り暖を取りながら燃料を確認

残り1目盛り弱か・・・エンジンを掛けて暖を取るのも節約が必要です・・・・
3時間は間違いなく持つと思いますが、5時間はどうか・・・・
とても朝まで暖を取ることは不可能です。

実は日の出前に24時間営業のスタンドをうっかり通り過ぎてしまいましたが、往復できる量は残っていたため引き返すのが面倒で燃料を入れなかった事を後悔します・・・

この吹雪の中歩いて下山するには体力を消耗しすぎました。

万事急須です!


濡れて冷えた体を温めながら最悪の事を考えると体が震えます。

ここで死ぬのか・・・

自分がもし死んだら・・・残された全国の女子高生が・・・
いや家族の事が目に浮かびます。

こんな所で死ねない。


携帯は・・・やはり通じません・・・

無線は・・・やはり通じません・・・

やはりダメか・・・

もう一台大型四駆が居ればソフトカーロープで一発シャクッテもらえば直ぐに脱出できるのですが・・・でも猟仲間の車は車体の軽い軽四駆が多く、車での引出しは不可能です。

嫁さんに乗せてるビッグホーンなら一発ですが体調不良の中呼ぶこともできませんし、そもそも新雪での走り方をしりません。でも体力が戻ったら下山してバス・電車を乗り継いで家まで帰れば自分が此処まで来る事はできます。


とにかく先ずは濡れた体を温める事にしました。

しばらくすると、他の人のホノボノとした無線が入ってきました。
そうか・・・最悪無線でSOSを打ち助けを頼めるか・・・

体が乾いて来た所で野宿可能か装備のチェックをしました。
事務所に零下30℃対応のシュラフを置いてきたことを悔やみます・・・
それでも3シーズン用のペラペラシュラフは積んでありました。
仮眠用の毛布も一枚あります。
シートカバー代わりの小型毛布もあります。
これを組み合わせれば朝方まで仮眠可能です。
冷え込む朝方だけ3時間燃料が持てばなんとかなります・・・
燃料は寒冷地仕様にしているのでエンジンを切っても再始動可能です。

よし、最悪野宿は可能だ・・・

吹雪の中、下山するよりリスクは少ないです。

次に食料・・・朝飯の残りのパン一つか・・・
イヤ、山に入る時はいつも持ち歩くチョコレートが有るはず・・・
数個出てきました。
まてよ!確か非常用の軍隊用Cレーションを以前積んだはず・・・・・
罠の道具が邪魔ですが手を濡らさないゴム手袋も出てきました。
その下から遂に見つけました、二食分のCレーション
何時も作業終了後に呑む予定の缶コーヒーも一つあります。
犬や手洗い用の水が3L、
それを沸かすことが可能なコンロと予備のガスカートリッジ

よし、これで暖かい夕飯と朝飯は確保できた。
まずはチョコレートを食べて血糖値を上げます。
頭も回転し始めます。
パンと飲みかけのコーヒーを腹に入れることにしました。
体も暖まり残りの燃料を見ると全くと言って良いほど減っていません。
よし!これなら5~8時間は持つぞ!

最低限、生きて一晩、節約すれば二晩暖かく野宿する自信がでました。

さて、次にどうするか!?

脱出の方法は2つ、明るいうちに下山して車を取りに帰るか掘るかです。
ダメなのは解っていますが前進してみます・・・全く動きません。
間髪入れずバックに入れ揉んでみると・・・ザザッ 
と音がして2~3センチ動いて止まります。
!!もしや!車を飛び下りて確認すると、前は吹雪で雪がスタックした時以上になり絶望的ですが、左の前タイヤが土をかき雪に黒い土が僅かに散っていたのです。
左前側は地面に接地したのです。

なぜ登りのバックで動いたのか??疑問に思ってよく見ると
前からの吹雪の為、後方の雪掻きしたところは意外に積もっていなかったのです。

冷静に作戦を立て直します。
1・吹雪く方向を考慮し前方脱出から後方に脱出を試みる。(長距離の登り)
2・体力温存のため一回の作業を10分と決め、時間が来たら車内で暖をとる。
3・作業は2時間を限度として下山可能な3時までとする。
以上の事を決めてタイヤの後ろを一か所ずつ掘り下げていきました。

全ての作業を終了したのは予定時間ぎりぎりの3時でした。
後方3mほど下がれるようになっています。
これを繰り返せば確実に出れますが、助走が付けばそのまま脱出も可能です。
ただし、失敗すれば今度は後方でスタックして腹下の雪掻きが待っています。
スタックするぐらいなら確実にバックした方が楽でしょう。
どちらにするかはグリップ次第です。

エア圧もトライアルの大会並みに落としました・・・

よし、勝負です!

慎重にスタート!!

ぐぐ!

行ける!瞬間的に判断してスリップしない限界の加速をさせて後方の雪だまりにツ込ませました。

雪が飛び散ります・・・十メートルぐらいで車速ダウン・・・ピンチです。

直ぐにサイドを2~3ノッチ引いて僅かでもLSD効果を持たせて食いつかせます、と同時にサミング(ハンドルを小刻みに振ってタイヤのサイドエッジを効かせてトラクションを上げます・・・

頑張れ!いけ~

なんとか上り坂をクリア、そのまま本線まで下ります。

もう一つの難所・・・切り返しです。

一気に本線に出ると同時にケツを登りに向けて方向転換

予想道理スタック!!

と同時に前方にシフトし前進、30センチ程でスタック!

と同時にバックに入れ揉みだします。

車さえ動けばOK

各種テクニックを使って10秒ほどでクリア!!


やっと山を下ってきました。

国道に出る手前でやっと画像を取ってない事に気づきパチリ!

e0056797_10455453.jpg


ホッとした瞬間でした。

今回は車やテクニックを過信したのが原因です。
燃料等マージンの取り方も甘かったです。
緊急用の装備がなかったら冷静に判断できなかったと思います。

あ~ 
全国の女子高生を悲しませずに済みました。
良かった~(笑)


皆さんも、雪山には十分注意しましょう。
山は気まぐれです、天気予報は参考程度に考え十分なマージンを取った行動をしましょう!


おわり。


追伸、
お陰様で今回のプチ遭難を教訓に、もっと雪の深い標高も高い地域での事業を安全に完了出来ました。多くの方々の協力により素晴らしい結果となりました。
近い内に公式会見前にプレス発表がされると思います。
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by hidehoken | 2012-02-10 11:05 | 生物多様性と自然保護活動 | Comments(8)

危険な雪山 その1

皆さんお久しぶりです。
余りの忙しさにブログ更新どころか書き込みチェックもままなりませんでした。
そろそろ書かないと生きているか心配する女子高生の為に更新しま~す。
(23年度の総括は長くなるので次回予定です。)

それにしても今回の雪はヤバイです。
全国で死者が相次いでいますが、自分も雪山でプチ遭難になり一時はマジでヤバかったです。

一月も終わるころの話です。
各地で大雪となり、自分達の猟場である天城山にも大量の雪が降りました。
何時もなら雪が降ると大喜び・・・忍び猟に最高だからです。

しかし、今回は他地区の捕獲困難地域での罠の事業を依頼されその見回りに行ったのです。雪山は慣れているので担当地域を走破し状況を体長に報告しました。

その帰る途中の出来事です。
なぜか国道が封鎖されています・・・聞けばタンクローリーが横転して道を塞いでいるという・・・しかも、復旧の見通しは立っていないとのこと。

それならばと林道を通って迂回しました。

その時ふと思ったのです。
ここまで来たならついでに忍びで一頭撃ってくるかと・・・・
また、もう一つ依頼されている事業の地域は膝下位まで雪が積もると聞いてましたので、膝下の新雪対策で履いたのマッド&スノーの限界を見極めて事業での安全マージンを確かめようと思ったのです。

車はトヨタ ランドクルーザーの70プラド最終型
3000ccのディーゼルターボにオプション?の5速AT
ボディはショートモデルをサスストロークで4インチアップ
タイヤはヨコハマ ジオランダーです。

正直、今どきの四駆では走破出来ない地域も二駆のまま走破するクロカン性能があります。スタック対策も万全でシャクリ用のソフトカーロープを始め多くの道具を積んであります。技術的にはエスワントライアルの初代チャンピオンで各地の大会で上位入賞経験者ですからソコソコ走れると思っていました。

各種技術を駆使してめったにスタックしませんが、してもモミ出しで大抵は直ぐにリカバリー出来ます。今回よりも雪の多いい日に埋まった事も有りますが、スコップで精々15分も掘れば一人でも十分脱出可能でした。

そんなこんなで脱出技術を過信して慣れた林道にレッツゴー

新雪をブリブリ撒き散らせながらタイヤの感触を感じ取っていました。
圧雪路や凍結路では予想通り食いつきませんでしたが、新雪は思った以上に食いつきました。
十分膝下位の雪なら走破可能です。

そのままシカの寝場に向かって調子よく走っていた時でした・・・

ズブズブ!?

ヤバ!!

タイヤの食いつきから瞬間的にヤバさを感じ取りました・・・この状況ではモミ出しなど最悪ですから悪あがきせずに直ぐに車をおりて雪の深さ確認をしました。

ゲゲッ 思ったよりも深い・・・

ずっと2~30センチの降雪量で充分マージンを取った走行だったのですが、そこは風で雪だまりになっていたのです。深い所で1m、車は雪だまりに突っ込む事無く、乗り上げて沈んだ最悪の状況です。

あ~あ、やっちまった・・

スコップを取り出して雪の掻き出しの少ない前方をセッセと雪かきを始めました。
ちょうど昼ごろで体が熱くなります。

や~ こりゃ大変・・・30分は雪かきを覚悟しなくてはいけません(泣)

ちょっと休憩。
車に入って飲みかけのコーヒーを飲むと急に天候が変わり吹雪いてきました。

だ~ 最悪! 休憩もソコソコに車を出て雪かきを始めるものの吹雪くと寒い・・・寒さに耐えかねて車に戻りエンジンを掛けて暖を取ります。

ゆっくり休憩を取り、再度雪かきの為に車外に出てビックリ

雪掻きした所が半分埋まっている・・・

こりゃ時間との戦いだ、急いで一気に雪をかき疲れ果てて車に戻った瞬間、猛吹雪に・・・吹雪きが弱まった時に車外に出て愕然としました。

全て埋まっている・・・

この時、自分は遭難したんだと感じました。

この地域は携帯電話は通じません。

単独での見回りでしたから無線で呼んでも仲間は来ません。

一瞬、背筋がゾッとしました。


さて、この状況でどうするか? 

パニックを起こしたくなる衝動を抑えて冷静に判断する必要があります・・・


つづく・・・
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by hidehoken | 2012-02-08 13:14 | 生物多様性と自然保護活動 | Comments(4)