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エキサイティングアウトドア(野生動物保護管理捕獲奮闘記)

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過酷な単独忍猟 その4

車にアホ犬サハラを残し、日の出前に単身で山に入りました。

これからが本当の忍び猟の始まりです・・忍者になって鹿を追い詰めます。

本州では9割以上がグループで行う巻き猟です、なぜなら巻き猟がもっとも捕獲率が高くそれでも取れない日があるからです。ですが、中には単独で猟をするツワモノもいました。
そんな人でも犬は連れて行きます。それも2~3頭引きで猪を止めての猟ですし、鹿は足が速くてなかなか撃てないと言ってました。

それをいくらプロ猟師を師匠に持っても、わずか1~2年での単独猟。しかも犬無しなど正気の沙汰と思えませんし、生意気に思うかもしれません。

でも1年で5年分位の修行はしてきたつもりです。山を一日3~5時間歩き一猟期に6~7kg体重が減ります、今の体重は高校の時と同じです。体中の毒が抜けた気がしますし、五感が鋭くなり鹿の気配や匂いも解るようになります。日に日に動物に近くなります。もう少し修行すれば犬や猫と話が出来るかもしれません・・
射撃技術も最も安定しない立ち撃ちで100Mまでは当てる自身が付きました。納得いくまで撃ち込んで来ました。オフシーズン中に1500発は撃ったと思います。

思い当たることはすべてやって来たのです、それでもダメならまた修行して挑戦します!

今回は自分の実力がどの程度向上したか楽しみでした。

林道を歩き林に着きました。まっすぐ行けば鹿の遊び場と教えられていました。さっそく蹴り(足跡)のチェックをします・・無数に足跡は有りますが生(真新しい)の蹴りがありません・・。

林の中に入ってまた足を拾います・・・あった、登り足です・・

作戦変更です、さらに上から逃げ道を塞ぎながら下る事にしました。
まず鹿より上に登らねば・・足を見ながらゆっくり慎重に登ります。いつもならスパイク付きの足袋なのでこんな凍った雪などわけないのですが、今日は足音がしないようにスパイク無しなので滑ります。

やっと中段の広場に出ます、もしかしてまだ遊んでる鹿が居るかもしれません。慎重に足を踏み入れようとした瞬間 バサッ と大きな音・・しまった先に気づかれた・・

急いで駆け上がるとメス鹿が森に向かって走っています。瞬間的に安全装置をはずして狙いをつけますが撃つのをやめました。

今日はオスのドデカイ奴と勝負したいと思ったからです。こんな所で大きな銃声は立てられません。まして ここまで来る間に鹿の返し(うんこ)からデカイオスがいるのが解ってますし、それも群れを引き連れている可能性が高かったからです。

広場に出た時は既に朝日が上がっていました、汗が滝の様に噴き出します。吹き降ろしの風が気持ちいい・・・!

まずい・・この風向きでは上から行ったら気づかれる・・・

また作戦変更です、群れの足跡を確認してその下のウト(獣道)に乗って森に入りました。

自分の足音が気になります、服の擦れる音も気になります。風向きはどうか・・鹿はどの辺りに止まってるのだろう・・目、鼻、耳 全ての五感を研ぎ澄ませて進みます。

ピィーー かすかにオス鹿の鳴き声です。警戒音ではありません・・居る!左上の奥 500m以内です。
by hidehoken | 2005-10-07 00:07